
デマに惑わされないために
世の中にはデマに惑わされる人が多くいる。
ワクチンを打たない人や頭の悪い人が大勢いて、全員を助けることは難しかったりする。
ただ、「事実やデータを探してみる」というクセを身に付けるだけでデマに騙されにくくなることはできる。そんな話を語っていこう。
これは、2018年のメキシコ・アカトランという町の話だ。
25歳のリカルド氏は、郊外に住む農家の叔父さんの井戸を作る手伝いで建築資材を買いに町の中心地に出かけた。
そのとき、街中で「臓器売買に関わってる誘拐犯がいる」というデマがメッセージアプリで広まっていた。
たまたま小学校の近くを通りかかったリカルド氏と、彼の叔父さんは、群集心理によって誘拐犯だと決めつけられた。
そして、逮捕され、近くの警察署へ連行されてしまった。
大衆の心理が人を殺した
「警察署に誘拐犯がいるぞ」
そんなデマがさらに拡散されて、警察署にたくさんの人々が集まった。
人々は警察署に押しかけ、二人を引きずり出した。
二人は群集にボコボコに殴打されて、リカルド氏は亡くなってしまった。それでも怒りの収まらない群衆は、叔父さんにガソリンをかけて生きたまま焼き殺した。
その様子がfacebookライブで配信された。
トイレットペーパーを買い占める心理
いま、日本ではデマによって、トイレットペーパーを買い占めてる人が多くいる。
先ほどのアカトランの話を聞いて、「そんな失敗は起こさないよ」と思ったかもしれないが、デマに騙されて行動する人が大勢いる点では、日本もたいして変わらないのではないかと僕は思う。
インターネット上のデマに騙されて誹謗中傷をしたことで刑事事件になった例が、日本でも複数ある。
ちなみに、アカトランの話では、そもそも誘拐された子どもなんていなかったようだ。その事実をちゃんと伝えていれば、デマをデマだと看破できたのだが、大衆には届かなかった。
事実をもとにした行動をする
「事実やデータを探してみる」
そのクセを身に付け、それをもとにした行動をするようにしよう。
新型コロナウイルスの場合なら、専門家が出した「接触感染する」というハッキリしたデータがある。そこから導き出されるのは、「満員電車のように人に触れざる得ない場所には行かない」ということになる。
しかし、世の中には調べる労力を惜しむ人がいる。
パソコンやスマホがあれば調べるコストは、ほとんどゼロだ。
僕は「1%の努力」として、調べることは徹底的にやるようにしている。
「調べる労力を惜しんでいないか?」
ぜひ一度、自分の考え方のクセを見直してみよう