
寝ないとバカになる?
日本人って、忙しいと睡眠時間を削りがちですよね。
ヘルスケア製品メーカーの国際的企業フィリップスが毎年「世界睡眠調査」というものを行っているのですが、2020年の調査では、日本は睡眠に満足している人の割合が32%と最下位でした。
僕は朝起きられないので、平気で遅刻をします。
遅刻しないことよりも、じゅうぶんな睡眠をとることのほうが大切だと考えているからです。睡眠不足だと疲れが残ってしんどいし、仕事などのパフォーマンスも落ちますよね。
僕は自分の能力はせいぜい65点くらいのものだと思っています。
でも、自分より能力の高い人よりも安定して結果を残してきました。それは、睡眠時間を絶対に削ってこなかったからだと思っています。
85点くらいの能力を持っている人でも、睡眠不足でコンディションが悪いと40点くらいの結果になってしまいます。
一方、僕はつねに十分な睡眠時間で体調管理は完璧。つねに65点を出せる自分をキープしているのです。安定して結果を出せるほうが、人生はラクになります。
そのためにも、とにかくよく眠りましょう。
寝つきが悪い人には、「連想睡眠法(認知シャッフル睡眠法)」がおすすめです。これは横になったら1つの簡単な英単語を思い浮かべて、その単語の「最初の一文字」から始まる単語の映像を思い浮かべていく、という入眠法です。
たとえば「sleep」という単語を思い浮かべたら、次に「snow」「ski」「sky」という単語とその映像を数秒間イメージします。
この方法を使えば、だいたい5分前後でぐっすり寝つくことができますよ。
「できないことは明日にまわそう!」
仕事や勉強をしているときに、なぜかうまくいかなかったり、どうしても調子が乗らなかったりすることは、だれしも経験があるでしょう。
まじめな人ほど、「ここで休んではいけない。もっとがんばらねば」と思いがちです。
でも、そういうときは、それ以上がんばらずに、さっさと寝てしまったほうがいいんです。調子が乗らない状態で無理をしても、状況が改善する可能性は低いですから。カリフォルニア大学バークレー校の2018年発表の研究結果によれば、睡眠不足になると人が近寄ってくることを恐れ、孤立しやすくなるリスクが高まるそうです。
これではチームワークもうまくいきませんね。

それに、睡眠をとると目覚めたときに仕事で行き詰っていた課題の新しいアイデアを思いついたり、どうしても理解できなかった公式がすんなり頭に入ってきたりしますよね。
これは「レミニセンス(追憶)現象」とよばれているのですが、寝ている間に、脳が情報の整理を行ってくれた結果、起きていることなんです。
人間の脳が情報を整理整頓して記憶に定着させるには、睡眠が欠かせません。
アメリカの精神医学者スティックゴールドが2000年に発表した研究結果によれば、新しい知識などを自分のものにするためには、それを覚えたその日のうちに6時間以上眠らなければならないそうです。
無理せずラクに成果を出すためにも、「その日できることは、その日のうちにやってしまおう」なんてこだわらず、ゆっくり眠って明日に備えましょう。

「苦労信仰から抜け出しましょう」
「若いうちはやりたくない仕事でも我慢して苦労したほうがいい」「我が子はお腹を痛めて出産するべき」など、世の中には謎のルールが存在します。
日本人には苦労した分だけ「どこかで報われるだろう」という淡い期待があるように思えます。
でも、それにはなんの根拠もないんですよね。
人って、いまの自分にある程度満足していると、「これまでやってきた努力や苦労のおかげで、自分はうまくいったのだ」というサクセスストーリーに寄りかかりたくなっちゃうものなんだと思います。
たとえば、ある地区の営業マンの成績がいいと、「飛び込み営業が結果を出した」とか「毎日アポの電話を30件することが成果につながった」とか、わかりやすいストーリーとして語られたりします。
でも本当は、本人の苦労や努力と関係なく、単純に上司から割り当てられた地区のお客さんがお金に余裕がある人ばかりだった、というだけで成功したかもしれませんよね。
もちろん、本当にその人の血のにじむような努力が実を結んだケースもあると思うのですが、じゃあ自分も同じくらいの努力をすれば同じくらいの成果が出せるかというと、そんなことはないわけです。
むしろ逆に、苦労してもそれが原因で卑屈になってしまう人もいると思います。
最悪なのは、「自分たちがしてきた苦労は同じように経験するべき」と思って、他人にまで自分のした苦労を押しつけてしまうことです。
そんなことになるならば、ショートカットできる道を探したほうがいいですよね。せっかくテクノロジーが進化しているのだから、しなくていい苦労はどんどん断捨離していきましょう。