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毎日を新しくする
ルーティンワークをしていて「つまらない」と感じる人は多い。
そんな人におすすめなのが、「試行錯誤」を入れてみることだ。
接客業であっても、毎日ダラダラしていてはつまらない。
「今日は、お客さんの名前を聞くようにしてみよう」
「『ありがとうございました』だけは目を見て伝えるようにしよう」
そうやって何か1つでもテーマを決めて、実際にやってみる。
そして、終わったあとに、感触を確かめるのだ。
名前を聞かれたほうがたくさん注文が取れるかもしれないし、目を見てしまうと押し付けがましい雰囲気が出てしまうかもしれない。
シミュレーションする意識が大事だ。
ポイントは、論理的な反省ができるかどうか。
そうすることで、退屈な仕事もゲームのように変わる。
「今日はなんの実験をしてみようかな?」
というように、ゲームのように考える。
ちなみに僕はゲームが好きだが、それは、計算したり記憶したりする要素が多いものだけだ。
サイコロを投げるだけの運試しゲームや瞬発力を高めるだけのアクションゲームは、あまり面白さを感じない。
天才を支える人になろう
僕が組織で働くとき、天才タイプの人を支えるようなポジションをとる。
たとえば、1人の突出した才能を中心にコンテンツを作ったほうが産業全体は活性化する。
新海誠さんのように突出した才能に対して、「これいいね」と思う人が出てきて、プロデューサーがついてお金になる状態というのが理想だ。
1人の才能を育てるために、周囲ができることはなんだろうか。
クリエイターは優秀で狂った人が多い。お金よりも、仲の良いスタッフと組めるかどうかが重要となる。
その仲の良いスタッフが、仮に優秀じゃなかったとしても、組織としてそれを認めるかどうか。
ここで効いてくるのは、「いい人かどうか」というポイントだ。
「面白いものを作れる」ということは、「人とは違う」ということと同義だ。
程度の差はあれど、狂気を持ち合わせている。
その狂気の部分を、周囲がサポートできるかどうか、気持ちいいと思って働ける環境を用意できるかどうか、狂気を才能へと伸ばしていけるか。
外からは見えにくい部分ではあるが、内部にとっては重要な要素だ。
1つは、マネジャーに徹するということだ。
その才能に対して、「社会に向けてこういうアウトプットをしたほうがいい」と助言できる人を横に置く。
たとえば、国民的漫画家の鳥山明さんを発掘した「ジャンプ」の元編集長・鳥嶋和彦さんは優秀なマネジャーとして有名だ。『ドラゴンボール』や『Dr.スランプ』をヒットさせたが、それよりもすごい功績がある。
鳥山さんに加え、当時「ジャンプ放送局」にいた堀井雄二さんに物語を書かせて、作家たちを組み合わせることで、ロールプレイングゲーム『ドラゴンクエスト』を生み出した。
物語を作る人、絵を描く人……と分けて、分業制で作っていく、ピクサー的なやり方だ。
ただ、そのやり方には欠点もある。
短期的に「今生きている人が見たいものを作る」というマーケティング的な発想になりがちなので、ヒットを生み出せたとしても安く消費される側面がある。
3年後には誰も見ないなんてことも起こりうる。コンテンツとして良質なものができるかどうかとはまた別問題だ。
また、漫画「ワンピース」にはこんな話がある。作者の尾田栄一郎さんには担当の編集者がついている。その人は、尾田さんの電話番号しか入っていない携帯電話をずっと持っていて、何があっても寝ていても、絶対に鳴ったら取るという。別に尾田さんから「それをやれ」と言われているわけではない。
ただ、サラリーマン編集者として、超最重要な任務を任されているわけだ。
万が一、尾田さんがヘソを曲げて、「他の雑誌で書くよ」と言い出したら、会社として大損失になってしまう。
その模様がテレビで出ていたのだが、「収録中でも僕はその電話は切りません。いま鳴ったとしたら、迷わず電話に出ます」と言っているのが潔かった。
「身近に支えたい人がいるだろうか?」
それを考えてみよう。
トップクリエイターを隣で支える道として、そういう仕事の仕方だってある。
何も、超絶有名な人に限らない。あなたの業界で、あなたの会社で、「この人を支えよう」と思える人が1人でもいれば十分だ。
そして、気に入られるような頑張り方ではなく、才能を伸ばす方向で、何かやれることがないかを考えてみよう。
