
AI(人工知能)が人類の知能を超え、制御できなくなるときのことを、技術的特異点=シンギュラリティと呼びます。コンピューターチップの性能は1.5年ごとに約2倍進化し、計算上、この技術的特異点は2045年に訪れるとする学説も存在します。
人類の英知を超えた究極のAI誕生により何が起こるかは定かではありませんが、今後10年〜20年間で人口の半分の仕事が人工知能に取って代わられると、野村総合研究所は分析します。
近い将来、ヒトの仕事はすべてAIに奪われてしまうのでしょうか。
1位 | 超小型電子回路生産オペレーター |
2位 | 一般事務員 |
3位 | 鋳物工 |
4位 | 医療事務員 |
5位 | 受付係 |
6位 | AV機器組立修理 |
7位 | 駅務員 |
8位 | NC研削盤工 |
9位 | NC旋盤工 |
10位 | 会計監査係員 |
11位 | 加工紙製造工 |
12位 | 貸付係事務員 |
13位 | 学校事務員 |
14位 | カメラ組立工 |
15位 | 機械木工 |
16位 | 寮·マンション管理 |
17位 | CADシステムOP |
18位 | 給食調理人 |
19位 | 教育·研修事務員 |
20位 | 行政事務員(国) |
さあ、30位まで行ってみましょう!
21位 | 行政事務員(県など) |
22位 | 銀行窓口係 |
23位 | 金属加工·検査工 |
24位 | 金属研磨工 |
25位 | 金属材料製造検査工 |
26位 | 金属熱処理工 |
27位 | 金属プレス工 |
28位 | クリーニング店員 |
29位 | 計器組立工 |
30位 | 警備員 |
ここまでで一体何人の人が仕事を失うのでしょうか。
日・米・英で比較したAIによる代替可能性割合では、日本49%であるのに対し、米47%、英35%になるそうです。2045年には単純に考えて
現在の半分も仕事がありません。人口はもちろん減っているでしょうが、それを上回る減少量でしょう。
クリエイティブ性、コミュニケーション性が必要な仕事や、型にとらわれない仕事は将来においても人が担うことができます。
芸術・考古学、哲学など抽象的な概念を整理・管理する仕事や、他者とのコミュニケーション、交渉が求められる仕事は現在のところ人工知能では代替困難とされます。
たとえば、アートディレクター、映画監督、俳優、医師、作曲家、シナリオライター、小・中・高教員、保育士、中小企業診断士、
ミュージシャン、漫画家、料理研究家、経営コンサルタント、法務教官、心理学研究者、声楽家、レストラン支配人などが該当します。
一方、専門的知識や創造性の高いスキルが求められない仕事、たとえば単純なデスクワークや資料整理、文字入力、機械類操作はAIで遂行可能率が高いとの結果になりました。
つまり、日本は創造性・専門性に欠ける仕事に従事する人の割合が欧米と比べて高く、近い将来、人工知能に仕事を奪われる労働者の数がもっとも多いことが分かります。
人工知能の発達のように、技術革新により仕事を失った例は今に始まったことではありません。歴史を見ても近代化や社会構造の変化によってさまざまな職業が姿を消してきました。
たとえば自動車や交通の発達により、人力車やオート三輪車の運転手は昭和30年頃には東京からなくなったと言われます。
また鉄道システムの発達では、切符切りの鉄道改札員やモノレール運転士が、通信システムの発達では、有線電信オペレーターや電報局員が、印刷・DTP技術の発達では原稿に合わせて活字を拾い集める文選工がそれぞれのタイミングで職を失いました。
今でも電子書籍の発達により文字は紙からデータで読まれることが多くなり、出版業界は斜陽と指摘されます。
しかし、新たに自動運転車やスマートフォンアプリ開発などの雇用が生まれたように、失われる雇用よりも、新たな雇用をどう創出するかを考える段階にあるのではないでしょうか。
