昭和の“体育会ノリ”については否定的な意見も多いけど
子どもに体育会特有のノリを経験させるのはどう思いますか?
ひろゆき:引きこもりでバリバリ文系な僕ですが、実は少年野球や剣道部といった体育会系の部活に所属していた時代があったんですよ。
だから、「子どもに体育会系的なことをやらせるべきかどうか」という議論について、僕の答えはイエスです。
体育会のメリットは、やはり体を鍛えられること、チームワークを学べること。
そして〝体育会ノリ〟を身につけ、理不尽に耐える力を習得できることです。
社会に出れば、理不尽なことばかり。おかしいと思っても会社や上司の言うことを聞かなければいけません。
もちろん、一生一人で飯が食っていける技術職の人ならば、体育会ノリや理不尽と戦う必要はないかもしれませんが、技術だけで一生食えるのはほんの一部。しかも、そういった人材かどうかは社会人になって、数年経たないとわからないものです。
理不尽に耐える力は将来的に役に立つ
仮に技術職で成功したとしても、組織内で出世をしたり独立したりすれば、理不尽な場面と向き合わないといけないので、ある程度の体育会ノリを理解して、理不尽に耐える力を身につけていたほうが将来的に役立つ可能性は高いと思うのです。
最近は体育会系のノリに否定的な意見も多く、若者不足もあって、先輩が理不尽なことを要求する体育会系ノリの会社もだいぶ減りましたが、体育会系が就職に有利という事実はいまだ存在しています。
だから、子どものうちから体育会ノリを知っていたほうが損はしないいでしょうね。
お偉いさんへのご機嫌取りは海外でも通用
大人になれば理不尽の連続です。
昭和的なノリの古い体質の会社以外にも、体育会ノリはそこかしこに存在します。
体育会ノリをまったく知らない文系社長が起業したベンチャー企業でも、上司が部下にかくし芸や物真似を強要してしまうみたいな体育会ノリを出してしまうこともよくありますしね。
でも、このお偉いさんへのご機嫌取りというのは、実は海外でも通用するんですよ。
体育会系ヒエラルキーでいうところの下っ端の動きは、偉い人に「あなたのことが好きです。あなたの言うことを喜んでやります」というのを態度で表明することを意味しています。
マッチョ思想を一度、経験させてみる
偉い人に気に入られるため、その人の趣味に付き合ったり家族サービスの手伝いをしたりしないといけない場合、体育会系の下っ端の動きが、そのまま役に立つのは万国共通だと思うんです。
もちろん、こうした下っ端の動きが耐えられない人はほかの場所に行ける能力があるなら、さっさと別の場所に行けばいい。
でも、多くの人はそうはいきません。
だから、体育会系のマッチョ思想を「よくない」と毛嫌いして子どもから遠ざけるよりも、こういう世界もあるんだ、と経験させ、理不尽に耐える力を身につけさせたほうがいいわけです。